サンスイ AU-α607NRA メンテナンス と 下準備


サンスイのアンプについては、FR-N7FX 修理の中においてこの様に書いています。

ついでにサンスイのアンプ AU-α607NRA も、もらいました。

このアンプの製造開始年は1997年です 
しかし製造からすでに25年が経過をしています。

今年、つまり2022年の夏ごろに故障が出ました。 CDを4、5枚再生をするまでは順調に音がでます。 その再生枚数が過ぎるとスピーカーから雑音が出ます。チリチリとかの雑音で気になります。

■ その雑音の原因はすでに分かっています。 コンデンサの劣化が現れたからです。 この雑音はどこの部分のコンデンサの劣化か分かりませんがすでに25年の経過。 電源部の大きなコンデンサの交換は別にしてコンデンサ交換をするべきと分かっているのでいずれコンデンサを交換すると思います。
その時には記事をUPします。
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そこでもって、12月の15日に修理の下調べをする事にしました。

最初に、パワーアンプから雑音が出るのか? それともプリ? を調べる事にしました。

次の様にして2種類を調べました。

デノンのCDチェンジャーをCDダイレクトに接続をして、2時間くらいCDを再生しました。
2時間と少しCDを再生しても雑音が出ませんでした。

となると、プリアンプを疑います。

なので今度はトーン回路を通してのCD再生を5時間以上しましたが、雑音が出ません。 なぜ? どうして?

どちらの方法でも雑音が出ない。 そこで考えました。

雑音が出たのは暑い夏の時期です。

気温が高いのに加えて、CDを4、5枚連続再生をしていたのでアンプの中はかなりの高温だったと思います。

つまりこう言う事だと思います。

アンプ内部の高温により、コンデンサも高温になり、コンデンサのアルミケースの中には電解液がガス化をします。

そのガスによりコンデンサ内部の圧力も高まります。 その圧力が電極と電解液の接触状態悪化を招き、蓄電能力 及び 放電能力の低下を招き、その事でトランジスタなどの部品が正常に動作できなかった事が雑音を招いたと推測しました。

今の気温は低く、テストの写真の様に天板外して、放熱効果が十分に行えた動作テストでは、コンデンサ内部の異常な圧力も発生をしなかった事によって、テストでの雑音発生がしなかったと推測しました。

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しかし初期の製品だとするとすでに25年が経過をします。 そろそろコンデンサの劣化が現れてもおかしくはありません。

メンテナンスとして、部分的なコンデンサ交換は性能維持に有効と思います。

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そこで少し分解をして、下調べをする事にしました。

フルサイズのアンプを分解するのは久しぶりなので、少しは不安を感じました。ドキドキもしました。

■分解の開始です

■テストをする為に天板はすでに外していたので、入力端子につながる入力基板はすでに見えていました。
その基板の分解は簡単に思えました。 外した後からかんがえると非常に簡単と分かりましたが、初めての機種なので、簡単なはずの入力基板がリアパネルから外れません。
考えても、考えても外し方が分かりません。
なのでリアパネルまで分解をする事にしました。

分解を難しくしていたのは、入力端子の間にある=金属のロックツメでした。

ふつうだったら、基板を止めているネジの2本を外し、入力端子を止めているネジを外したに入力基板は簡単に外れるはずでした。

しかし、入力端子の間にあるロックツメは、よく見ても これがロックのツメになる? と疑ってしまうほどの小さな部品です。

そのロックツメの存在が分からなかったのでリアパネルまで分解する事になりました。

この様に分かりずらい場所にあります。

ネジの両側に、かすかにツメが出ています。ネジを取った後、ラジオペンチでそのツメを挟み、ツメの広がりを狭くする事によってロックが解除される仕組みです。

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パイオニアのコンポ SMC5-K には、そのネジを外さないと絶対にCDドライブが取り出らないのに、必ずネジを外すのを忘れてしまうので「くせ者のねじ」と名付けましたが、サンスイのこの ロックツメも 「くせ者のツメと名付けても良いくらいのものです。 組み立ての時の作業効率をよくする為だと思いますが、本当にこのロックツメの存在は難解な場所にあります。
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入力基板の様子を見てみます

少し拡大をしてみます。

①と番号を付けたコンデンサの足は、ハの字の形に曲げられていません。

なので基板の裏側を見て、コンデンサの足が曲げられずに直に突き出ているものは、用心をしながら半田ゴテを足の交互に当てて、表側からゆっくり交互に動かしてコンデンサを基板から抜きます。

さらに拡大をします

② ③ ④ ⑤ の足の部分を見ると ハの字形に曲げられています、

さらに銅箔(どうはく)の配線幅も微妙な幅です。

この様な微妙な幅の配線の時は、基板の表からコンデンサの足を切り、基板の裏からピンセットと半田ゴテでもって、手足に刺さったトゲを抜く感じてもって、基板の裏側からコンデンサの残りの足を抜きます。

もう一度、リアパネルに突き出ているロックツメの場所を示します。

初めて分解する時は、このロックツメの存在がなかなか分からないと思います。

最初は、基板の① ② のネジを外して、リアパネルにあるネジを外せは、入力基板は簡単に外れると思っていました。
そのロックツメの存在に気が付くまでには、かなりの時間がかかりました。
▼ ダイレクト端子の基板にはコンデンサはありません。

入力基板はかなりスッキリしています。

この基板は色々なコードをつないだままで、コンデンサの交換作業が出来そうです。

ソケットなどが傷つくリスクを考えると、ソケットは一切外さないで交換作業をするのが良いと思います。

コンデンサと部品の数が少なくてシンプルですが、コンデンサの極性には注意です。

マランツのCDチェンジャー CC4003と同じで、コンデンサの極性のマークが逆に付いています。

ふつうは、マイナスの足に白マークですが、ここではプラスの足に白マークになっています。

十分に注意が必要です。

プラスの足に白マークが付いています。 ふつうとは逆なので注意が必要です。

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注意と言えば・・・。

使われているコンデンサの種類は、グレードの高いものとは分かるけれども、オーディオ用のコンデンサなのか? それとも少しグレードを替えているのか? が、分かりません。

グレードが高いと分かるのは、マイナスの足を示す印字がふつうは白色ですが、このサンスイの場合には金色を使っています。

規格を示す文字も金色でした。

他のメーカーでもグレードの高いコンデンサを使う場合には、ふつうはマイナスの足を示す白い印字の部分が金色のコンデンサを使っています。

■その点が迷うところです。オーディオ用のコンデンサを使うのか? それとも普通タイプのコンデンサを使うべきなのか?

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しかし、考えると、この様にも考えられます。

入力端子に隠れているロックツメの存在が分かった今、入力基板は簡単に取り外せる事が分かりました。

なので最初は、ふつうタイプに交換をして、何か・・物足りなさを感じたらグレードの高いコンデンサに少しずつ交換をして音の音色を調べながらコンデンサの交換を進める手法も使えます。

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一度に、入力基板のコンデンサを全て交換をするのではなくて、1、2本ずつ交換をして、調子が良ければ、次の交換に進むという手法を使ってもいいかもです。

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写真を少し写したので載せます。

ネット上にある写真では、赤い矢印の大型のコンデンサ。

大きさが大きいのは漠然と分かります。

しかし天板を開けて、中の大型コンデンサを見るとかなりの大きさがあるので 驚きます。

規格は、63ボルトでもって 容量は 12000マイクロファラッド。
直径も55ミリあります。 高さは83ミリくらいです。
実際に見ると、大きくて驚きます。

パワーアンプの部分も少し。

パワーアンプにもグレードの高いコンデンサが使われています。

いずれ、この部分のコンデサも少し交換をしたいと思っています。

リアパネルでの説明を少しします。
「回り止めワッシャー付きのネジがあります。
そのネジ穴は、位置決めの突起と一体となっていて、ネジ穴がズレれば位置決めの突起も位置決め穴からズレます。

「回り止めワッシャー付きのネジを取り付けるのには、位置決め穴から少し出ている位置決めの突起の頭を、小さいラジオペンチで挟み、ネジ穴が逃げない様にして、「回り止めワッシャー付きのネジ」を締め込む様にします。

写真はうまく写せませんが、プロントパネルの内部はかなりの隙間があります。
つまり、フロントパネル内部の部品は少なく、コンデンサがありそうで、なさそうという・・微妙な感じに見えました。
フロントパネルの内部を分解して調べるのはかなり先の時期になりそうです。

スヒーカー端子の写真を忘れていました。 こんな感じです。

入力基板と スピーカー端子部分のコンデンサ配置図です

※ コンデンサに BP と書いてあるのは 無極性のコンデンサです。

下調べの報告は以上です。