DV-SP504 修理


オンキョーのCD/DVDプレーヤー DV-SP504は今回で二台手に入れました。 一台目の説明は別の時として今回は二台目の修理について説明します。

オークションでもってスタンバイランプが点くけれども電源が入らないというものを数百円で手に入れました。

一台目のものは3枚の基板、電源基板、オーディオ基板、デジタル基板のそれぞれの電解コンデンサを幾らかを交換して市販のCDや個人作成のCD-Rの再生に問題なく動作するようにしました。

今回の電源が入らないというジャンク品を手に入れたのは

部品取りというか、一つはスタンバイランプは点くけれども電源が入らないという状態が何の原因で起きているのかを調べたいと思ったからです。

二点目には、この機種のオーディオ基板のコンデンサの多くがオーディオ用コンデンサが使われていますが、オーディオ用コンデンサの多用は曲の雰囲気の深みを浅くしているのではとの思いから、このオーディオ基板のコンデンサを

普通タイプのコンデンサに交換をして曲の雰囲気がどの様に変化するのかを

知りたい為に今回落札して手に入れた個体のオーディオ基板が役に立つとの

考えたのが二点目です。

その、オーディオのコンデンサを普通タイプに交換する記事は別の時にします。

今回は電源が入る様にする修理です。

この様にスタンバイランプは点くけれども電源が入りません。

ケースを開けて中を確認します。

するとコンデンサの頭が少し膨らんでいるのが分かりました。

赤い棒が示す2本のコンデンサの頭です。

コンデンサの部分を拡大します。

さらに拡大します。

このコンデンサは中国製です。 パソコンの電源ボックスに使われていたコンデンサがこの色のタイプのコンデンサだったので中国製と分かりました。

コンデンサの規格は10ボルト耐圧の1500μFです。

手持ちに16/2200μFがあったので後で交換をします。

もう一つのものも中国製です。

6.3/470μFです。

コンデンサの右にトランジスタがあり、ヒートシンクが付けられているのでこのトランジスタが大きな発熱を出すと分かります。

なのでコンデンサの頭の膨らみが熱によるものなのか、それと耐圧が低いのかは分かりませんが手持ちに16/470μFのコンデンサがあったので交換をします。

この電源基板は簡単に取り出せます。

赤い棒のところにビス止め、紫色のところ2か所がグロメット止めになっています。 グロメットの頭を見て、膨らんでいる部分をラジオペンチで強く挟めば基板をグロメットから外せます。

赤の部分のコンデンサを交換します。

コンデンサ 2本を交換した後です。

グリーン色が交換後のコンデンサで16/2200μFと

16/470μFです。

赤で示しているのが不良のコンデンサです。

今回のコンデンサ交換はこの2本です。

後に周りに見えるコンデンサを全て交換する予定です。

コンデンサの外観からでは劣化や容量抜けの状態が分からないので コンデンサ類はすべて交換するのが得策です。

この電源基板の裏を少し見てみます。すると銅箔の配線の幅が表側からの引き抜きに耐えられる幅があるのでコンデンサは普通の方法で表側から引き抜くことが出来ます。

この2本を交換した後のテストでは電源も入り、市販のCDも個人作成のCD-Rも問題なく再生しましたが、数時間後にはやはり別のコンデンサの劣化状態が現れて読み込みの悪さや、再生が途中で止まる現象が現れ始めました。

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その様な時に、ともすればネットに出ているレーザー出力の調整に手を出したいところですが、出力をいじると後が困ります

B級 オーディオFANからの画像を借りて説明をします。

ONKYO・オンキヨー DV-SP504 B級オーディオ・ファン (zouri.jp)

そのブログの中にレーザー出力を調整する画像があるので、その画像を借ります。

このレーザー出力の調整ねじはよほどのことがない限りいじらない方が良いと思います。

このレーザー出力の調整はネットに紹介されているので多くの人がいじった事があると思います。個人的にはやはりいじった事がありますが機器も十数年経過をすればコンデンサの容量抜けはどこかのコンデンサで起きていて、必要な電圧、あるいは必要な持続容量が保てない為に部品の誤動作やレーザー出力が不足しておきる不具合なので仮にレーザー出力の調整を行っても一時的にでしかない状態と思います。調整をしてもまた直ぐにどこかのコンデンサの容量が抜けて電気部品の誤動作や機能停止が起きるはずなので。

レーザー出力の調整を行っても、その後にコンデンサ交換をすれば電圧や電気的容量が戻るのでレーザー出力もまた変わります。そうするとまたレーザー出力をいじるので機器の状態は悪い方向に向かうと思います。

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この機種の手に入れた一号機のレーザー出力はいじらなくてもコンデンサ交換によって順調に読み取りが行えるようになりました。 その他のCDプレーヤー、CDチェンジャーの修理をしましたがレーザー出力調整をしなくてもコンデンサ交換でもって機器は正常に復活をします。

機械的な不具合を持っている機器は別の話として、コンデンサ交換でもって復活をする機器は多いと思います。

コンデンサ 2本を交換した後の画像を少し載せます。

この様に電源が入るようになりました。

トレーも出ます。

この機種の読み込み時間の長いのはB級 オーディオFANの中の説明にある様に特有の状態のようです。

読み取りも出来ます。

再生も出来ます。

この様に電源基板のコンデンサ 2本の交換でもって機器が復活しましたが数時間ほど再生確認などをしていると動作的不具合が起き始めました。その不具合とは読み込みの不良や再生途中の停止などです。 しかしその不具合はコンデンサの劣化によるものと分かっているのでこれ以上、今の時点で機器をいじっていると必ず壊すので修理はコンデンサ交換以外には完結しないと知り、コンデンサ交換を予定します。

修理の二日目 第二ラウンド

修理の一日目では電源基板のコンデンサを2本交換をしても市販CDの再生でも途中で止まる不具合が発生し、個人作成のCD-Rの再生がダメなのが分かり 修理の第二ラウンドを始めることにしました。

修理の第二ラウンドは電源基板のほとんどのコンデンサを交換することです。

電源基板には25ボルト耐圧の100μFのコンデンサが使われていますが

販売の25/100μFのコンデンサを調べると大きさが数種類あることが分かりました。

紫色が示すコンデンサは25/100ですが他のコンデンサよりも大きさが小さいです。

赤色の右側のものは規格が同じ25/の100μFですが紫色のものよりも直径が大きく、電気的容量に安心感があります。

乾電池でいえば単三乾電池を使うのか、それとも大きい単に乾電池を使うのかと

言うことでしょうか。

基板に付いているオリジナルの規格は25/100μFですが25/220μFのコンデンサにしても問題はないので、どの大きさのコンデンサを選ぶかを少し迷いましたがオリジナルの大きさに合わせる為に

25/100μFを使うことにしました。

コンデンサを交換するにあたり電源基板の裏側を見ます。

丸で囲んでいるものが交換するコンデンサの足です。

赤い丸のものの銅箔の配線の幅を見ると広いので表側からコンデンサを楽に引き抜けます。

黄色い丸の中の足の右側のものは要注意の足です。それは銅箔の幅がかなり狭いので表からコンデンサを抜くと銅箔の部分が無くなる可能性があります。 その場合には次の写真のようにします

表から要注意の方の足をニッパで切ります。

もう一方はそのままにします。その方がコンデンサを抜くやすいからです。

要注意の方の足の部分を拡大してみます。

黄色い丸の中の足の部分は、「ハの字」の形になっていますが、赤い丸の足の配線はかなり細く、表側からこの足を引き抜くと銅箔の配線が無くなる可能性があるので要注意になるのです。

なので上の写真のように片方の足を切ります。

そして基板の裏側から足の部分を抜きます。

ちょうど、手や足に刺さったトゲをピンセットでもって引き抜く感じで抜きます。
コンデンサを抜き取った後は、他のところでも説明しているように新しいコンデンサの足が入る様に余分なハンダを吸い取り、穴を必ず開けておきます。

写真は他の修理でのものを使いますがこの様に余分なハンダを必ず吸い取ります。

これがコンデンサ交換後の基板です
電源基板に使われている電解コンデンサのメーカーを調べると台湾のメーカーとのこと Webではこの様に出ました

Su’scon(アルミ電解コンデンサ)
Su’sconは、1978年設立の台湾系中堅企業です。

本社は台湾桃園ですが大陸工場は東莞、蘇州にあり、同地域に生産拠点を持つ日系家電メーカー(Panasonic、YAMAHA、シャープ、フナイ等)を中心に製品は使用されています。

オーディオ基板のオーディオ用コンデンサにはニチコン製が使われいます。

電源基板のコンデンサを交換するとある程度は良いのだけれとも また不具合を発見しました

最初はこの様にCDの曲数などもしっかりと認識して再生も可能になりましたが

まれに途中で止まる現象も出ました。 個人作成のCD-Rの再生は不可能でした。修理をした一号機の方はCD-Rの再生もOKなのですが。

なので第三ラウンドの開始として真ん中のデジタル基板のコンデンサを少し交換することにしました

真ん中がデジタル基板です。

左側が電源基板。右側がオーディオ基板です。

デジタル基板でもって大きな白色の放熱板が見える側が表側です。

この機種はDVD再生もするのでデジタル基板にはビデオ回路も持っています なのでデジタル基板の裏側を見れば基板の凄さが分かります

基板の裏側にも多くの表面実装のコンデンサがありまし。

もう一度、表側の写真を載せます。

表側から交換を始めます。 赤と黄色の部分のコンデンサを交換しました。 黄色のコンデンサの耐圧は4ボルトと6ボルトですが、注文では10ボルトと16ボルトの耐圧のものしかなかったので耐圧を上げて取り付けています。

裏側も黄色と赤の部分のコンデンサを交換しました

ドライブの裏側の写真です

赤で示す白いプレートが右や左に動くことでトレーの出し入れ、そしてピックアップレンズの上下を行います。

ドライブのトレーの前フタは取り外さなくてもドライブは取り外せるし、フロントパネルもトレーの前フタに関係なくパネルは本体から外せます。なのでトレーの前フタはドライブに付けたままにしておきます。

底板の前側にある細長い穴は、ドライブを本体から外さない時でも、この穴からドライブの白いプレートを動かしてトレーを出せるようにする為の穴です

フロントパネルの外し方はコンポのFR-N7FXなどの FR-N系のパネルの外し方と同じです

パネルの下にあるビス 3本を外し、パネルの上部の矢印の部分にマイナスドライバーを阻止込みロック状態を外します。 3か所のロックを外します。するとパネルの前面は簡単に外れます。 フロントパネルは2分割で構成されています。

パネルの前面を外すと、パネル本体の両端にビスが2本あります。 この2本のビスを外すとフロントパネルは本体から外れます。

このフロントパネルの外し方は、オンキョーのコンポ、FR-系のフロントパネルの外し方と同じです。

その様にコンデンサを交換して、組み立てて行きました。あとはテストをするだけです。

再生テストです

このDV-SP504という機種は数種類の盤が使えるので、読み取り時間が少し長いと記事に出ていますが、コンデンサ交換後にはまあまあの読み取り時間に感じました。
市販のCDの再生はまったく問題ないです。
しかし個人作成のCD-Rのほとんどが、認識はするけれども再生しないという状態でした。修理をした一号機はCD-Rもしっかり再生するのですが。

今回修理をした二号機はCDの回転が止まる時に、何回転か逆に回転をして止まります。つまりピックアップの調整が少しずれている可能性もありますが、ピックアップの調整をいじるとCDの再生に不具合が出ると損なのでこのままにします。市販のCD再生には問題がないのですから。

電源が入らないという状態から、CD再生までの修理をしましたが、この様にコンデンサ交換を覚えると直せる機器は多くなり、オークションやハードオフでのジャンク品を選ぶ時にもその選択範囲が大きく広がり、ジャンク品選びも楽しくなります。 そしてオーディオがもっともっと楽しくなります。

分解方法を知り、コンデンサの配置図を書くことを覚え、コンデンサの交換方法を覚えるのはすごく簡単です。知ろうとするとこです。知ろうとしないから難しいだけです。

今回のオンキョー DV-SP504の修理報告は以上です。